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私のブックレビュー やっぱり友達はいらない。(著:押井守)🐾

私のブックレビュー やっぱり友達はいらない。(著:押井守)🐾




パトレイバー攻殻機動隊を作り、ジェームズ・キャメロンにも影響を与えた稀代の映画監督で知られる、押井守が対談方式で友達について書いた本。面白い。というか、共感した。
私も、友達については色々思うところがあるから。


一時期話題になった「友達という幻想」という本が人間関係における対処法を悩める読者に勇気づけるように書かれた本ならば、
本書は、著者が友達という存在についてひたすら懐疑的に語ってる。
「エイリアン」と「ブレード・ランナー」作ったリドリー・スコットは凄いと褒め讃えたり、政治家の教養のなさをdisったりと閑話休題が多いが、あくまで友達はいらない論がメイン。


ひねくれ者の私も、著者に便乗して友達という存在について書いてく。


著者が言う、友達はいらないということについては、なんか分かるかも。
人間は成長する生き物だし、それによって人付き合いや環境も変わるから、友達っていてもいなくてもあまり変わらない。
個人的には、友達自体は好きだけど、"ズッ友"とか"古き友は金(こがね)ぞ"とかは、手前勝手でクソみてぇな考えだと思ってる。


林修先生も、初耳学で「中高の友達はクソみたいなもん」と言ってたけど、全く同意。


コンスタントに昔の友達と会っては、昔の思い出を話して、昔のノリを切り取って再現するみたいなのが、時間と金の無駄だと思う。シンプルに飽きが来てつまらない。


付き合いが長くなるにつれて、旧友にイライラしだして疎遠にしたくなる現象は、間違いなく心が成長してる証といえるけど、イライラしても尚付き合いを続けるのは、何か弱みでも握られてるのかと思っちゃう。


お笑い芸人なんかだと、プライベートだと親密じゃないコンビやトリオが少なくないらしいね。
たとえ幼馴染や友達同士で組んだとて、長年一緒にいてるうちに、ただのビジネスパートナーとしてのクールな関係に落ち着いたり、楽屋を別にするほど気まずくなったり、前は仲良しだった。でも、今じゃ近くにいるだけでぶん殴りたくなりそうで解散…。なんてことが珍しくなく、むしろあるあるなんだとか。サンドイッチマンのような仲良しコンビは最近になって増えてきたみたい。


仲良い相手とはいえ、同じ相手と時間を共有しすぎるのも、あまり良くないのかもね。狭苦しくなる感。


夫婦でいう、マンネリが故の"七年目の浮気"とちょっと似てるかも。あはは。


それから、悩みの一番の原因は、"人間関係"だとよく言うし、著者のように孤高に生きる人間は悩みも少なくていいのかも。
ただ、そうなるには、他者に対する依存がなくて孤独に対する耐性みたいなのもついてないと病むかもね。


それより、なんで友達で悩むかと言ったら、色々理由はあるけど、よく聞くのは"友達を所有物と勘違いしてるやつ"の存在かも。
「頼むよ〜友達だろ〜?」ってのび太みたいなこと抜かしてきたりね。あとは、思い通りにいかないと感情的になってきたり。
そんなに友達を束縛したいなら、無抵抗なぬいぐるみとでも仲良くしてたらええねん。


筆者もこれまで色々と苦労した挙句、著者と同じく友達は別にいなくても困らない派を支持してる。

大きなきっかけは、私が小学校低学年の頃まで遡る。
私は、男友達のサトウ君とトイレのない公園でサッカーをしてる最中に腹痛を催した。
サトウ君がガッツリ見守る中、茂みの中で粗相をした私は、「お願いだから学校のみんなには言わないでね!?友達でしょ?」と念を押した。
そして、次の日とっても不思議なことが起こった。

なぜか私は、クラスメイトから野グソ呼ばわりされはじめたのだ。
はて、おかしいな。私とサトウ君以外誰も知らないはずなのに。

結局、サトウが笑いをこらえながら自白したのは小学校を卒業する時だった。
まあ、ウンコを我慢できなかった私にも落ち度がなくはないものの、
これをキッカケに、友達という存在やサトウという苗字に対する疑念を決定づけるものとなったのだ。
ちなみに、付け加えると、サトウというのは仮名で、こいつの本名はコモリ。まあ、どちらにせよ、次会ったら顔に毒ウニぶつけてやろうかと。


以来、人付き合いは学生・社会人と、一貫してドライアンドクールを保ってる。旧友という存在を引きずることもない。最近だと、ラインもアカウントを削除してアンインストールした。


今じゃ、稀に孤独を感じることがあっても、私は、基本的に悩みがなく裕福である。
だって、悩むほど誰かと接してないから。


ただ、著者や私のように友達はいらないからと言っても、仕事やプライベートでは、何かしらの人付き合いが付いて回ってくる?


「他者の存在なくして幸福はありえない」とアリストテレスも言ってた。でも、それとこれとは別。


私は、アリストテレスの言葉をこう捉えてる。


"世の中の視点で見ると、人は一人じゃ生きてはいけないのは確かだけど、自分の視点から見たら、友達はいてもいなくてもいいんじゃない?☆(右目ウインク、スボンのチャック全開)"

多少の人付き合いと友達は、似てるようで別物なのだ。


人脈やビジネスパートナーはウィンウィンの関係。
友達は損得なしで付き合える相手。
一緒にいて少しでもしんどいなら無理して友達である必要はない。


人間関係では、何より、他者に依存することなく、自分を愛することが大切だよね。


本書は、「友達という幻想」が好きな人にオススメ。
一人が好きな人にもオススメ。


とりあえず、読んでみれば。