働くってなんなんだろう
5年前、大学の授業で映画「千と千尋の神隠し」を鑑賞した。
劇場公開以来、千と千尋は正味20回くらい観ていたけど、この時の教授の解説・考察を聞いてからは、映画の印象がガラリと変わった。
なんでも、教授によれば、千と千尋は、労働社会の縮図みたい。
・八百万(やおよろず)の住む街=現代の労働社会。
・八百万の神=就労者。
・豚にされる両親=働かざる者に対する社会的制裁。
・名前を奪われる=所属先に身を捧げ、社会人を全うする。アイデンティティ(私が私であるということ)の消失。
・カオナシ=ニート、就労困難。あるいは、いわゆる社会不適合者。輝く存在に憧れを持ってる。
・労いの言葉(湯婆婆「千!よくやったね!」など)=仕事の成績で認められたということ。また、千尋の成長ポイントを言い表してる。
他にもまだまだあったけど、レジュメどっか行っちゃってもう覚えてない。
この考察から連想するに、千尋は、社会に裏切られた青年の姿なのかもしれない。
それでも、千尋は自分の役割を全うし、結果として仲間に認められた。
もう、ハクの助けを必要としない。
自立ってこういうことなんだね。
働くって一体なんなんだろう。
それは、自分の天命を全うしながら、誰かの喜びの一部となること。
…
あ、ちなみに!
映画の終盤、湯婆婆は「ふん!とっとと行っちまいな!」的なセリフを吐き捨てますが、この後、湯婆婆は振り向いてニッコリします。超ちっちゃくてわかりづらいですが。
湯婆婆は、なんだかんだ言って、千の事が心配で仕方なかったんですね。ひと安心といったところでしょうか。
ソフトを持ってる方は、ぜひ確認してみてくださいね。